Sunshine Keepsake
─ ひだまりの記憶 ─

まるで誰かが、子どもの頃に塗った向日葵の絵を
大人になっても捨てられずに飾っているような──
そんな「残したくなる夏」を描いた一枚です。

太い輪郭とベタ塗りの色面は、技法としてはポップアートアウトラインアートの影響を受けながらも、
配色は意外にも写実的。花恋は、向日葵の構造と記憶の中の色を忠実に再現しています。

ビンテージ古着から着想を得たという構図も特徴的で、
“誰かが着ていた”という記憶の重なりと、
“確かに咲いていた”という花の実在感が、
レトロとリアルのあいだで揺れ動いています。

陰影のないこの花は、あえて「時の流れ」を拒み、
光を受けても、影を落とさない。
それは、枯れない願いの形かもしれません。

KARENAIが描くのは、「過ぎた夏」ではなく、
永遠に引き出しにしまってある夏です。

Sunshine Keepsake ─ ひだまりの記憶 ─